通常完済と解約の違い

以前書いた記事で、ローンを完済(全額返済)した場合の詳しい解説をしていなかったので、こちらで詳しく書きます。
普通、クレジットカードなどのローンを完済した場合、特に何もしない人が大多数です。
これはこれで良いのですが、完済には3種類あり、たまにやり方を誤って将来不便な思いをしたという人は結構多いと思うので、一応こちらで説明したいと思います。
 
完済には3通りある
①通常完済
②個別完済
③解約
 
1.通常完済(包括残ゼロ完済)
最もオーソドックスな完済方法です。
クレジットカードなどで全額返済した場合、特に何もしなければこちらになります。
通常完済(包括残ゼロ完済)とは、現在の残高はゼロだけれども、契約は依然として残っている状態の事を言います。
わかりやすく言うと、完済した後、また借りたい時は近くのATMでカードを入れて暗証番号さえ入力すれば、すぐに現金が出てきます。
これは、契約自体は残っているので、カードが使える状態なのです。
このよな契約形態を「包括契約」と言い、一度の契約でどちらかが解約処理をするまでは何回でも利用する事ができる契約です。
次に説明する「個別完済」や「解約」は、契約自体が完了してしまっている為、再契約の際は新たな契約をする必要が出てきます。
 
2.個別完済
これは、元々の契約が「個別契約」だった場合や、契約自体は包括契約だったにも関わらず、完済時に契約書の返還を求めた場合(解約)、こちらの扱いになります。
個別契約とは、その契約は1回のみ(完済するまで)有効であって、完済した時点で契約が終了するものです。
原則、貸金業者は完済後、契約書面の返還をしなければなりません。
契約書面を返還するという事は、契約そのものもなくなる為、再契約の際は新たな契約書面を記入し、貸金業者に提出する必要が出てくるのです。
この方法が郵送だった場合、即日キャッシングは難しくなります。
大手消費者金融や銀行系カードローン、クレジットカードなどでは、無人契約機によって即日キャッシングが可能な場合もあります。
 
3.解約
解約とは先ほども述べたように、完済時に解約希望の意思表示をし、契約書面の返還を受け、契約そのものを解約することを言います。
こちらも「個別完済」と同じで、再契約希望の際は新たな契約をしなければなりません。

●それぞれの完済方法のメリットとデメリット
上で述べた通常完済(包括残ゼロ完済)と、個別完済(解約含む)では、それぞれメリットとデメリットがあります。
通常完済のメリットは、常時(利用時・完済時)いつでも利用する事ができるという点ですが、完済後も信用情報上に長期間登録され続けるというデメリットもあります。
これは気にならない人は放っておいても問題ないものですが、中には身内に金融関係者がいて、いつバレるか不安という人もいます。
また、住宅ローンを組む際、銀行側から解約証明書を求められる場合もあります。
契約そのものが残っていると、またいつ借りるかわからないからです。
住宅ローンの支払いを、借金で返済するというのはとても危険ですので。
 
それに対して個別完済のメリットは、完済後1年で完全にデータから抹消される点にあります。
1年が経過すれば、過去に借金なんかした事がないのと同じ扱いとなります。(ガイトウナシと出ます)
逆にデメリットは、追加融資や再契約希望の際、その都度新たな契約を交わす必要があり、とても不便です。
 
以上のように完済する際は、将来、また借りる可能性があるという場合は通常完済、もう借りるつもりもないし、そう遠くない未来に住宅ローンを組む可能性があるという場合は、解約をするというように、使い分けた方が利口なやり方です。
イザ!という時、慌てないようにしましょう。
 

それぞれの解約方法のメリットとデメリット
  メリット デメリット
通常完済
(包括残ゼロ)
いつでもキャッシングができる。
完済後の再契約も手続きは一切不要。
完済後5年間信用情報上に記録が残る。
個別完済
(解約)
完済後1年間で信用情報上のデータが抹消される。 追加・再契約希望時に新たな契約を交わす必要があり、煩わしい。

 

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